大会長挨拶
我が国の医療制度は大きな転換期を迎えています。平成37年度(2025年度)を目処に地域包括ケアシステムが構築され、医療は病院など施設内で完結するのではなく、地域の様々な施設と連携することによって、患者が住み慣れた地域で人生の最後まで自分らしい暮らしを続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援等が包括的に確保される目指されています。薬の専門職である薬剤師も、これらの変化に対応し自らの役割を見直す必要があります。そこで、今回の大会のテーマは「地域包括ケア時代に応える薬学 ~創薬からチーム医療まで~」としました。
東海ブロックの合同学術大会は、平成21年に第1回の大会を開催してから今回で9回目になります。その間、薬学教育の面では6年制課程の卒業生が世の中に巣立ち、4年制博士課程も完成年度を迎えました。また、平成27年度の始まった新モデルコア・カリキュラムに基づいた教育も3年目を迎え、平成31年度には新カリキュラムに沿った実務実習も始まります。一方で、薬剤師におる臨床研究の活性化や、卒後初期研修制度の確立など、未だ達成が十分とは言えない課題も沢山残っています。本大会では、病院薬剤師と薬学教員が共同でプログラムを企画・運営することで、一般演題のほか、特別講演、教育講演、シンポジウム、セミナー等を通じて創薬からチーム医療に至るまで、薬学が取り組むべきテーマを幅広く取り上げることにしています。
合同学術大会は東海地区の病院薬剤師と薬系大学教員の一堂に会し、Face to Faceで意見を交わせる貴重なチャンスです。たった1日間の短い会期ではありますが、多数の方々に参加いただき、活発な議論をいただきますようお願いいたします。秋が深まる鈴鹿医療科学大学白子キャンパスで、皆様方にお会いいたしましょう。
三重県病院薬剤師会会長
三重大学医学部附属病院教授・薬剤部長
奥田 真弘