当会について
会長挨拶
三重県病院薬剤師会 会長 岩本 卓也
(国立大学法人三重大学医学部附属病院薬剤部 教授・部長)
三重県病院薬剤師会のホームページをご覧いただきありがとうございます。
令和6年度より、松田前会長の後任として三重県病院薬剤師会会長を務めさせていただくことになりました。ポストコロナ時代において、停滞していた社会活動が活発化してきており、医療業界においてもその波が訪れています。当会についても、日本病院薬剤師会、三重県薬剤師会、三重県医師会、三重県看護協会、三重県病院協会、鈴鹿医療科学大学、三重県行政と連携を取りながら、病院薬剤師が活躍できる環境を作っていきたいと思います。
さて、現在、三重県病院薬剤師会には、県内の病院・診療所・介護保険施設等に勤務する約600名の薬剤師が所属しています。当会では、会員の知識・技能の向上や、地域や医療機関における薬剤師業務の充実により、薬のスペシャリストの集団として、薬物治療を通じて県民の健康および福祉の促進に努めています。
近年では、病気の分子メカニズム、分子標的の理解が進み、それに合わせて、標的分子をターゲットとした医薬品の開発も盛んに行われています。薬物治療の高度化、医薬品費の高騰といった2つの特徴があり、患者への薬物治療の選択が難しくなってきています。このような社会背景の中、病院薬剤師の業務・役割は、従来から行っている調剤、医薬品や情報の管理だけでなく、病棟薬剤業務やチーム医療、在宅医療への参加が求められています。さらに、最近では、外来業務において医師の診察前に薬剤師が患者に面談を行うことも、がん診療から始まってきています。一方、医療が高度化に伴い、新たな薬物治療や薬剤師の業務展開については、その知見を研究としてまとめ、学会発表や論文発表していく必要があります。そして、その積み重ねが、認定薬剤師、専門薬剤師、指導薬剤師といったキャリアアップにつながっていきます。
当会は、病院薬剤師の業務統計や医療安全対策を検討する業務委員会、薬系大学の実務実習などの受入れの調整を行う薬学教育委員会、会員の入会促進や地区研修会を企画する地区委員会、中小病院の業務充実や連携充実に向けた活動を行う中小病院委員会、会誌や医薬品情報実例集を発刊する出版広報委員会、東海地区学術大会やシンポジウムを企画運営する学術委員会、薬剤師の専門性を高めるための研究等を企画する専門部会統括委員会、その他、災害対策特別委員会、薬剤師確保対策特別委員会を編成しています。そして、専門部会統括委員会は、薬物療法部会、がん部会、感染制御部会、精神科部会、褥瘡研修部会を編成し、それぞれの分野の専門家たちが次代を担う人材育成に向けて支援を行っています。
当会の目的は、医療機関に所属する薬剤師の倫理感及び学術水準を高め、質の高い薬物療法の確保を図ることにより、県民に安心で安全な医療を届けることです。三重県病院薬剤師会は、県民の皆様からのご期待に応えるよう、これからも努力して参ります。病院薬剤師の役割に関する疑問や薬剤師の業務に興味をお持ちの方は遠慮なく本会までお尋ねください。